ホテル西洋銀座閉館

とても残念なニュースでした。
個人的にも色々と思い出のあるホテルです。
オープニングスタッフの顔ぶれも凄かった。
料理長に『鎌田昭男』さん。
私が初めてフランス料理を食べたレストラン『オー・シュヴァルブラン』のシェフだった人です。
現在は東京ドームホテルの料理長をされています。
『田崎真也』さんもシェフソムリエとして活躍しておりました。


サーモンマリネ

このホテルが我々の業界に与えた影響は少なくないと思います。
ホテルの料理長に『街場』のシェフが就任したことも当時としては斬新でした。
長くなるのでヤメますが、当時の日本のレストラン業界は『ホテル』のスタイルと『街場』にわかれていました。
否定する人もいますが、事実だと思います。
ホテルにも色々と流れとゆうか『派閥』的なものがありましたね。
皆様プライドも高かったし。
1970年代になり先程の鎌田さんや井上さん、石鍋さん、勝又さんなどが本場フランスの料理スタイルを日本に持ち込んだワケです。
所謂『ヌーベルキュイジーヌ』と呼ばれた料理スタイルです。



仔羊のロティ

それまでの日本のフランス料理と何が根本的に違うのか？
簡単に言えば『脱エスコフィエ』だったと思います。
ホテルのフランス料理は、程度の差こそあれ『エスコフィエ』のスタイルが基本でしたからね。
それを根本的に変えたのがヌーベルキュイジーヌです。
まあ、実際はもっと複雑でして簡単に説明出来る話ではありません。
もっと説明しないと誤解を招くかも知れませんね。
ただね、ホテル西洋銀座はホテルと街場の両方から『良いとこ取り』したんだと思います。
何度も伺いましたが当時としては最高レベルのサービスだったと思います。

１つの時代が終わった気がしますね…。
残念(-_-)