見守る

ある年齢になると人は反抗期と呼ばれる病気にかかります。
先ずは親に対して。
とにかく親が嫌いになります。
症状は色々とあるでしょうが。

学校や雑誌やテレビから様々な情報が入ってくる。
地元が嫌いになり、自分の置かれている環境が嫌いになり、やがて日本まで嫌いになる。
アタシも若い頃はそーでした。

今アタシは札幌で商売をやり、この街の方々に支えられて生きております。
札幌の街が大好きです。
それでもﾔﾊﾟｼ故郷に対する気持ちもあります。

北海道が嫌い！と言って東京に行く若者も何人かいました。
仕方がないね。
いつか分かると思います。

経験を積まないと分からない事って沢山あります。
自分でタンコブこしらえて、傷ついて、ボロボロになって、それで初めて気が付く事もあります。
その時、初めて感謝や優しさを知るんです。
甘えていた自分を恥じるんです。
それが『大人になる』ってこと。
親に感謝し、環境に感謝し、祖国に感謝し、祖国を命懸けで守ってきた先人に感謝します。
それが人間です。

若者達が必死でもがいています。
色々な情報が入ってきて、悩んでいるんです。
当然ですね。
アタシ達大人は毅然として若者達を『見守る』だけです。
いく千の言葉より、毎日誠実に働いて汗を流し、真面目に生きる姿を、現実を若者達に見せてあげれば良いと思います。
もしも悪い事をしている若者を見つけたら本気で叱ってやりゃ良いのです。
それが大人の責任だと思います。

ﾑﾏｲ料理は簡単には出来ません。
一番大切なことは最初の下処理とか、基本的な部分です。
そこにエネルギーの７割を費やします。
お客様には見えない部分です。
でも大切。
そこをキチンとやらないと、いくら仕上げを気取っても、見てくれだけ気にしてもダメなんです。
絶対にﾑﾏｲ料理にはなりません。
鍋に入れたら後は『見守る』だけ。
時おり余計な灰汁を取ってあげます。
それだけ。

人も料理も同じです。