Quantcast
Channel: 洋食『マーシュ亭』
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3407

心の栄養

$
0
0
この数年、本を読むことが殆ど無くなりました。
特に料理の本。
専門料理的な本とかね。
経験値が上がるほどに料理の本や雑誌の『うさんくささ』に嫌気がさしてくるようになったから。
美しい料理の画像にリアリティーを全く感じない。
美しいけれど『美味しさ、温もり』が伝わらない。
写真だから当たり前なんですが、それにしても『わざとらしさ』しか感じないのです。
料理長達の言葉やルセットも、思わず首をかしげてしまうような内容も少なくない。
何かしらの力が作用している。
販売が目的だからかな。
若い人達に何かを『伝える』気持ちが無い気がします。

どんな仕事も実際の現場は綺麗事じゃ済まないです。
もっと野蛮で、時には『力任せ』で押しきらなきゃならないことも少なくない。
それがリアルだと思います。
厨房は『戦場』ですから。
うちみたいなチンケな洋食屋でさえ、毎日怒鳴り合います。
yo‐ko様は料理の素人ですが構っていられない。
そんな場合じゃありません。
とにかく時間との勝負だもの。


最近読む本は料理とは関係ない歴史の本とかです。
読み始めると眠くてね(笑)
全然読めないけれど。
先日、うちのソワニエが一冊の本を貸して下さいました。
昔読んだことがあるんですがね。
実はあまり興味がなかったの。




イメージ 1



パラパラとめくり始めるとやめられなくなりました(笑)
実に面白い、実にリアルな内容だと思います。
若い人達に『伝える』気持ちが感じとれました。

料理の内容は全てを肯定はしません。
当たり前ですね。
考え方はみんな違いますから。
ただし、結論に至るまでの道筋と言いますか『汗』とでも言いますか。
伝わりましたね。
素晴らしいと思います。
流石です。


今頑張っている、必死に毎日汗をかいている先輩方の根っ子にあるものは『悔しさ』だと思います。
若い頃やオーナーシェフになったばかりの頃の『どーしようもない疎外感、挫折感、孤独感』がバネになり強さになっているのだと思います。
リアルに生き残ってきた方々ですから個性的です。
生き残る為には人真似じゃ無理ですから。
芸人だなぁ…と思います。
だって辛さを感じさせないもの。
自分の劣等感を素晴らしい『一皿』に変えてしまうパワーは芸人だと思います。

アタシなんざ足元にも及びませんが、今でも独立した頃の惨めさ、孤独感、挫折感を忘れたことはありません。
だから感謝もできる。
少々のことじゃめげません。
有り難いです。


アタシの考えですが、どんなに辛くても料理人は独立するべきだと思います。
名前の売れた、有名店の『雇われ料理長』がどれ程綺麗事を吠えても本質は理解していません。
どんな小さな店、どんなジャンルの店でも独立している人の言葉は重いですね。
料理人の本当の力量は独立しなければ絶対に分からないです。




イメージ 2

さて、仕込むか…。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3407

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>