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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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デミグラス

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西洋理解の特化している要素の1つにソースのバリエーションがございます。
各レストランの料理長は自分なりのソースやフォンに対しての考え方や拘りをもっておられます。

マーシュ亭は洋食屋ですから、基本となるソースはデミグラスです。
本来数日かけて煮込んでいくのですが物理的に不可能なのでアタシなりの作り方でやっております。


基本となる材料は子牛の骨です。

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これを天火で焼きます。

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その他に牛タンも入れます。
2本から3本使います。
これはタンシチューやポークチャップのソースになります。

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鍋に香味野菜、ハーブ、スパイスを入れて炒めていきます。

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店で一番大きな鍋を使います。
野菜が炒まったら子牛の骨、牛スジ、豚筋、あれば肉の切れ端や脂身を加えます。
トマトホールを潰してから加えます。
最後に赤ワインでムイエします。
強火で煮立たせて灰汁を丁寧に取り除きます。
ブイヨンも水も加えません。
赤ワインだけです。
煮込んでいる時には少なくなった水分を補う時には水かブイヨンを足します。
牛タンも入れて煮込んでいきます。
これが1日目。

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次の日、うちは必ず日曜日ですが朝からゆっくり煮込んでいきます。
丸1日煮込んでから丁寧に濾します。
マデラ酒を加えて煮詰めていきます。
味を見て丁度よい味わいになったらブラウンルーでリエゾンします。
ウスターソースなどで調整してから濾します。

大体の作り方はこんな感じです。
結構な手間がかかりますし、原価も安くはありません。
でも、これを手抜きしたらマーシュ亭はやっていけなくなります。

その他に常備しているのが豚バラの塩漬け。
プティサレです。
豚バラを塩漬けしてから乾燥させます。

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冬場は問題ありませんが暖かくなると腐敗の心配があるので肉全体にアルコールを吹き付けてから吊るして乾燥させます。

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これはありとあらゆる料理に使います。
ソーセージ、パテ、スープ、カレー、デミグラス、レンズ豆、煮込み料理等々。
日本料理の鰹節みたいなものか?
とにかく使いますね。

うちの場合、厨房が狭いのでフォンやブイヨンを沢山常備できません。
プティサレが大活躍します。

肉を塩漬けして熟成させるのはアタシのやり方です。
もうね、殆どこればっかり(笑)
メンチもカツレツも全部そう。

コンフィの塩漬け

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今朝焼いたパテ

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料理の考え方は様々ありますが、アタシは基本が一番大切だと思います。
お客様には直接見えない部分です。
でもアタシが一番気を使うのがソースやプティサレ、肉の熟成です。
どんなにせかされても譲れない部分。
料理は待つのが仕事だと思います。
忍耐!


料理人の中には仕込みをやらない人も沢山います。
それが自慢みたいな事を言う人。
モツロン考え方は色々だし、否定するつもりは毛頭ありませんが、そーいった料理人の料理はヤパシ軽いんです。
高級食材を駆使しても、最新の技術を使っても、きれいに豪華に盛り付けても、ヤパシ軽い。
小手先でこねくり回しても深みがない気がします。
アタシの好きな料理長達の料理は、一見シンプルでも深みがある。
食べるとしみじみムマイと感じます。

そんな料理が作れるように精進いたします!


今日も頑張ろー🙋

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