今夜はビーフシチュー。
香味野菜をじっくり炒めて、和牛のイチボをこんがり焼いて、赤ワインをﾀﾌﾟｰﾘ使って煮こみます。
灰汁をひきながら弱火でコトコト。
煮込んでは休ませ。
又煮込んでは休ませ。
これを繰り返します。
コトコト煮込んでいる時、肉は柔らかくなりません。
繊維がほぐれるだけ。
スジっぽい煮こみになる。
シットリ柔らかくなるのは休ませている間です。
圧力鍋で手っ取り早く作ってもﾑﾏｲビーフシチューにはなりません。
若いうちから要領が良い人がいる。
人に媚びるのが上手で、何となく人気者で、上手く立ち回る人。
自分が人からどう思われているのか？を常に気にしている人。
それは悪くない。
でも、それだけだとツマラン人になる。
本気じゃない人には、こちらも本気では付き合わない。
がむしゃらに頑張っている人は、見た目は不器用だけれどね。
でも本気の人が集まる。
要領だけ良くて、上手に立ち回るだけで生き抜けるほど世の中は甘くない。
大人はそれほどバカじゃないよ。
僕たちは、若い人の『本気』を見ているの。
コイツ本気かな？
って。
我々が若い頃も先輩達からそうやって見られていたと思う。
要領の良さだけで、保身ばかり考えて付き合っても長続きしません。
僕も世の中を舐めていた時期がある。
痛い目にあったよ。
手っ取り早く作ってもﾑﾏｲビーフシチューにも『人間』にもならないと思う。