『気分を変えよう』
唐突に言い出すyo‐ko様。
少々ショボくれていた僕を見かねてのことだと思われます。
優しいyo‐ko様です。
『どーしますか?』
『シチュエーションを変えよう!』
ってなワケで、昨夜はいつもと違う雰囲気で仕事をやることになった。
京都四条駅から少し歩いて小路の片隅にある小さな料理屋『まーしゅ』とゆう設定である。
女将は祇園では伝説となっている元芸妓『洋子』。
その美しさは四十路を過ぎた今も祇園一と言われるほどである。
板場を仕切るのは、元は大料亭の脇板を務め、天才と呼ばれた凄腕料亭人『正吉』。
酒と女に溺れて不義理をやらかし料理界を追放され乞食同然の生活をしていたところを洋子に拾われて、心を入替え日々板場で汗を流す毎日である。
その卓越した技術で祇園の食通達も一目置いている料理屋。
『おいでやす~🎵』
今夜も洋子の美しさと正吉の作る見事な料理を目当てに祇園中の食通達が押し寄せるのである。
『板さん!今夜も宜しくお願いしますよ!』
『へい!』
お客様が入ってくる。
しばらくすると注文をとってきた女将が板場に戻ってくる。
『ビフカツ2つでんねん!』
『おあと、ハンバーグとカツカレーでんねん!』
でんねん…。
でんねん…。
yo‐koさま。
祇園の女将は語尾に『でんねん』はありません。
『じゃあどー言えばええねん!』
彼女にとって関西は大坂も京都も、多分奈良も下手したら広島辺りまでみんな一緒だと思われます、ってか知らんけど。
『どす』じゃないでしょうか?
『コロッケどす!』
『ピラフどす!』
『メンチカツどす!』
今度は全て『どす!』です。
悲しい程にボキャブラリーが足りません。
『ハンバーグ早よしてんか?』
『やかまし!今やっとるちゅーに!』
『カレーちゃいまんがな!ハヤシ言うたやんけ!』
『ホンマかいな?そーかいな?』
祇園の料理屋ではなく、出来の悪い吉本新喜劇にしかならないマーシュ亭でございます。
やはり難しいです、はい。
今夜は『ホタテ貝と海老のメンチカツ、ラタトゥイユ添え』を作ります。
ムマイですよ❤
ほな、今日も宜しくお願いしますm(_ _)m
多分こんな小芝居をするなら日本一ボーダーが似合う美人女店主『ノリ虎』様が適任だと思われます。
1度お願いしてみたい、ガチで。