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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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『社会に出たら大学で勉強した経済学なんて何の役にもたたなかったよ!
カッポレや腹躍りが出来る方がよほど役に立つ…』

そんな話を聞いたことがあります。
我々の仕事も同じかも(笑)
若い頃に勉強した料理の基本。
『料理とはかくあるべし!』みたいなことは実際の厨房じゃ全く役に立ちませんでした。
考えてたら間に合わない。
とにかく速く動くのが先。

一人仕事を始めたら尚更です。
とにかくやらなきゃ料理は出来ません。
理屈なんかすっ飛ばします。
がむしゃらに動いてサービスを何とか終わらせる。
そんな日々が毎日続きます。
地金を強くしないと生き残れない。
鋼の精神力がなきゃオーナーシェフは出来ません。

雇われている時は、ほぼ全てを料理に注ぎ込めばよかった。
オーナーシェフは許されません。
様々な問題が降り注いできます。
お金のこと。
健康のこと。
スタッフの手配。
店の修繕。
家族や私生活の悩み。
とにかく色々とあって頭がグチャグチャになります。
それでもサービスは始まります。
ただでさえ大変な状況なのに料理以外の問題が頭から離れない。
泣き出したくなります。
土にかえりたい…。

そんな毎日を過ごしていると少しずつ慣れてくる。
そんな状況か当たり前になってくる。
『料理だけやせてくれたら良い仕事ができるんだっ!』
そんな考えは『甘え』だと気が付く。
覚悟ができるんですね。
腹をくくる!です。

アタシは頭が悪いから気が付くのか遅いんです。
ボロボロになるまでやられないと気が付かない。
色々と理解でき始めたのは四十半ばからですね。

でね、少し慣れてきてから昔読んだ本や教わった事を読み返してみるの。
それで初めて理解出来ました。
昔の料理長達の言いたかった事がスーッと頭に入ってきました。
グチャグチャだった頭の中がスッキリしたみたいな。

若い頃に読んだ本は後から役に立つんですね。
無駄じゃなかった…。

それまで無理に拘ってきたことが間違いだと気が付いたり。
自分が本当にやりたい事が分かったり。


本や昔の人の教えってのは有り難いです。

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