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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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玉葱

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料理で一番大切な素材は?

アタシャ迷わず『玉葱!』と答えます。
西洋料理にとって玉葱は必要不可欠な食材の断トツ不動の1位です、ってかマヂで。

玉葱の歴史は長くてね。
紀元前三千年ぐらいからエジプト、メソポタミアなどで食べられていたらしいです。
玉葱はスタミナがつく!とピラミッドの建設にかかわる労働者は挙って玉葱を食べたとか。
16世紀ごろでは地中海沿岸からヨーロッパに広まった玉葱。
アメリカで現在の玉葱の原形が開発されました。

日本に玉葱が伝わったのが1700年代後半。
南蛮船が長崎に来たときに玉葱も一緒に入ってきました。
日本で広く玉葱が広まったのは明治に入ってからだろうね。
それまで葱と言えば長葱しかなかった日本。
明治に入り文明開化と共に日本の西洋料理が発展したわけだけど、オランダやフランスの料理を作る際、玉葱が必要不可欠だと分かった。
日本で玉葱を最初に量産したのが北海道です。
北海道の広大な大地は玉葱作りに最適立ったんじゃねーかと思われますな♪

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料理人にも色々なタイプがいます。
世代によっても料理の作り方や仕上がりに差がありますな。
アタシより先輩の料理人の多くはフランス料理を始める前には必ず西洋料理や洋食を作るレストランで修行を始めました。
だってフランス料理なんて作る店は無かったんだから。
イタリー料理のシェフも同じです。
でね、昔の西洋料理を学んだシェフの多くは玉葱の使い方が似ています。
玉葱ってのは火の通し方で全然味わいが変わります。
キャラメリーゼするのか?
表面だけ焦がすのか?
生のまま煮るのか?
同じキャラメリーゼでも色の深さによってもソースの仕上がりが変わりますな。
若いシェフ達はあまりやらないけれど、年輩のシェフは玉葱を始めとした香味野菜を本当によく炒めます。
ジックリ時間をかけて旨味を引き出す。
東京のある有名なイタリー料理のシェフ。
そのシェフのパスタはアタシの知る限り断トツにムマイですが、彼のパスタソースの基本は玉葱とニンニク。
これをとことんジックリ炒めます。
絶対に妥協しません。
野菜も必ず包丁で丁寧に切ります。
スピードカッターなんて使わせない。
出来上がったパスタソースは野菜の旨味が引き出されて、なんとも味わい深い仕上がりになります。

西洋料理の先輩料理人達も同じく、玉葱などをとことん炒める工程を絶対にハショらない。
今の若いシェフ達の料理は綺麗でムマイけれども、食べても深みが無いような気がします。
主素材の品質ばかり気にして、素材の良さに頼り過ぎな気がしますな。
仕上がりとかは丁寧に作りますが、基本となる部分を簡単にサッと流しちゃう。
確かに昔よりムマイ食材が沢山ありますから。
でもそれだけじゃ料理に深みが出ないと思いますがね。
先輩達の作る料理は本当にムマイし深かった。


マーシュ亭でも玉葱の使用度はとても高いです。
小さいレストランですが、1日に使う玉葱の量は10キロから20キロ。
マヂですよ(笑)
アタシと一緒に1週間働けば昔の料理人達の仕事が少し理解出来るかもね(笑)

玉葱は安くてムマイ、最高の食材です。




ありがとね!
玉葱さん♪

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