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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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ルルヴェ

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昔の西洋料理の献立を見ると面白い発見が沢山ありますな。
料理は基本的にコーススタイルで提供されます。
ポタージュ、オードブル、アントレー、野菜料理、ロースト、そしてデザートです。
特にデザートはかなり豊富に出します。
デザート取り合わせの他にピエスモンテだもん(笑)

さて、現代のレストランでは殆ど見られなくなった言葉があります。
『ルルヴェ』
ですな。

イメージ 1


ルルヴェとは本来『ポタージュに代わって出される料理』の意味になります。
昔のフランス料理は大皿でサービスされました。
第一のセルヴィス、第二のセルヴィスみたいに。
それを各自が取り合って食べるわけですな。
ですから主催者側はお客様の座る席順にも最大の注意を払う必要がありました。
席によっては手の届かない料理も出てきます。
ですから位の高い人が一番良い席に案内されます。
ポタージュの鍋が空になると続いて出される料理がルルヴェです。

日本の西洋料理の正式な会食などはフランス料理及びサービススタイルが基本となっていました。
料理は大きく分けるとオードブル、アントレ、野菜、ロースト、そして数々のデザートと続きます。
ポタージュやルルヴェはオードブルになります。
オードブルとは『料理以前の食べ物』のことです。
前菜ですな。
ポタージュの後にルルヴェが出ます。
メニューによってはルルヴェと記載されない場合もありました。
ルルヴェとは冷製の魚料理やパテ、ゼリー寄せ、マヨネーズ、魚のクリーム煮、ガランティーヌなどその種類は豊富です。
これが現在の『アントレ(前菜)』にあたります。
場合によっては魚料理もルルヴェになるかもしれません。
ルルヴェの後に提供されるのがアントレです。
これは基本的には家畜やジビエ等の肉を使った料理のこと。
現在のメインディッシュみたいな料理。
アントレの後には温製又は冷製の野菜料理が提供されます。
アスパラガスのオランデーズとか、セロリのサラダとか。
そしてメインディッシュは必ず肉のローストです。
かなりのボリュームですな(笑)
現在のレストランではかなり簡略化されてます。
また、戦後まだ殆どの日本人がフランス料理なんて馴染みがなかったころに西洋料理文化がアメリカ経由で一般の日本人に入ってきました。
これがある意味日本人の西洋料理概念を混乱させた原因です。
コースのスタイルも無茶苦茶になってしまった。

モツロンアメリカ経由で西洋料理が入ってきた功績も少なくないですな。
先ずはフライパン。
今ではどんな家庭にも必ず1つはあります。
戦前には日本の家庭にフライパンなんてありませんでした。
皆様は『焼く』とゆう料理方法の概念はどんなものでしょうか?
肉を焼く?魚を焼く?
どんな道具でどのように料理しますかね?
昔の日本ならは『焼く』とゆうと七輪などに網を乗せて焼くとか。
串に刺して直火で焼くとか。
今ならばフライパンをイメージされる方々も多いと思います。
『この肉を焼こう♪』
となればフライパンを用意しますな。
当然なにがしらの油脂も必要になります。
戦前の日本人にはそんな概念さえなかった。
レストランは別にしてね。

そこら辺の話もいつかしてみたいですな。
皆様が現在当たり前に考えている料理方法は実は戦後から始まったものが多いんです。
日本の外食産業もそこから変わってきました。
これは功罪色々ありますが、知っておいて損はないと思います、ハイ。



またね

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