今日の賄いでございます。
豚ロースのソテー、黒胡椒風味。
うちの豚肉の消費量は多いです。
肉屋さんもびっくりするほど(笑)
豚カツ屋ならわかるけどね。
ロングロインと言いまして、背骨の周りにあるロースの部分、肩から腰にかけて1本の塊になっております。
1本が約4キロあります。
これを1日平均1本分使います。
月に20本以上。
多いときには30本使います。
部分により味わいが違います。
腰に近い部分はカツレツに。
肩ロースはソテーにします。
ロティにする場合も腰に近い部分と肩ロースは別々に焼きます。
よく熟成させた豚ロースは、実は焼きっぱなしが一番ムマイです。
冷凍した肉や、安い外国産はダメですね。
豚の肩ロースは1センチの厚さに切り分けます。
筋切りをしたら水分を拭き取ります。
両面にしっかりと塩胡椒をして、小麦粉を極薄くまぶしてから、フライパンでしっかりと焼きます。
フライパンの火はやや弱火。
片側がしっかりと焼けたら裏返します。
アロゼはしません。
絶対にしないの。
理由は火が入りすぎるから。
味わいに油の焦げた香りが移るからです。
酸化した油をかけたら臭くなる。
両面がしっかり焼けたら休ませる。
それだけで柔らかくなる。
仕上げはサラマンダーで。
表面を温めるだけ。
お皿に盛ったら黒胡椒をタップリ振りかけます。
マスタードを添えて完成。
たまらんムマさです。
豚肉をソテーする時に小麦粉をまぶすには理由があります。
旨味を閉じ込めるため?
違います。
小麦粉で旨味を閉じ込めることは出来ません。
ただの言い伝えでしょう(笑)
アタシの場合、小麦粉をまぶすのは肉の厚みが薄い時です。
厚く切ってポワレやロティにする時には小麦粉は使いません。
豚肉は他の肉よりもメイラード反応が起こりにくいんです。
理由は知りません。
経験上で分かってます。
一般に白い肉は赤い肉よりもメイラード反応が起こりにくい。
肉が薄い場合、香ばしく綺麗な焼き色がつく頃には火が入りすぎてしまいます。
ですから、小麦粉をまぶすことにより香ばしさや綺麗な焼き色を補うわけです。
厚めに切った肉をロティする場合は小麦粉は必要ありません。
薄い肉をソテーする場合と厚く切った肉をロティする場合は目的が違います。
仕上がりが違う。
パンで言うならば、クラムを食べさせたいのか?
クラストの香ばしさに重点を置くのか?
はたまた両方のバランスか?
肉も同じです。
ロティは表面の食感を感じさせないぐらいに、中も外側も同じようにしっとりと焼き上げるのが理想。
ソテーはパンのクラストにあたる表面の香ばしさや、カリッとした食感が特徴です。
それが口に入り噛んだとき最初に感じます。
その後、中から柔らかい肉の食感や旨味が出てくるからムマイんです。
例えば豚カツ。
あれは表面のカリッとした衣の美味しさが特徴です。
揚げているのは表面の衣。
中の肉は低温で蒸されている状態。
だから薄く切った豚肉を豚カツにすると火が通りすぎていて肉が不味いの。
しかも縮んでしまうから肉と衣の間に隙間が出来る。
あれじゃ良い肉は必要ないです。
豚カツソースを絡めた衣を喰っているだけ。
うちのカツレツは、最初に油で揚げます。
これは衣に香ばしさをつけるため。
その後はオーブンとサラマンダーで仕上げていきます。
厚めに切るのは柔らかく、しっとりと仕上げたいから。
難しいのは、焼き方を考えないと肉汁で折角の衣がビチョピチョになってしまうこと。
それを防ぐために、ある工夫をしています。
それは秘密です(笑)
衣の付け方から全て工夫をしないと作れません。
どのレストランのシェフ達も、其々に工夫をして自分の料理を作っておるわけでして。
同じような仕事でも、実は奥が深かったりするんです。
どーしたらムマイ料理になるのか?
我々が考えるのはそればかり。
其々に条件も違いますからね。
ムマイだけなら誰にでも出来る。
商売であるいじょう、効率も考えなければ『遊び』になっちゃう。
肉を焼くにしても、ソテー、ポワレ、ロティ、グリエ等色々あります。
間違えてはならないのが、其々の調理法は『方法』を論じているわけではありません。
あくまでも仕上がりの結果を論じているわけです。
どのような方法であろうとも、ロティのような仕上がりになれば、その料理はロティです。
ソテーも然り。
またメニューの表記は、あくまでもお客様がイメージしやすいように明記しているわけでして。
それを少し料理を知っている人や、料理を始めて間もない頭でっかちの若い料理人が知ったかぶりで否定する時もありますな(笑)
あれはロティじゃない!みたいに。
どのレストランのシェフも、少なくともそのような方々よりも圧倒的に分かってます。
皆様理由があってやっているだけです、ハイ。
ってなわけで、少々長くなりました。
ディナーも張り切って行きます♪
豚ロースのソテー、黒胡椒風味。
うちの豚肉の消費量は多いです。
肉屋さんもびっくりするほど(笑)
豚カツ屋ならわかるけどね。
ロングロインと言いまして、背骨の周りにあるロースの部分、肩から腰にかけて1本の塊になっております。
1本が約4キロあります。
これを1日平均1本分使います。
月に20本以上。
多いときには30本使います。
部分により味わいが違います。
腰に近い部分はカツレツに。
肩ロースはソテーにします。
ロティにする場合も腰に近い部分と肩ロースは別々に焼きます。
よく熟成させた豚ロースは、実は焼きっぱなしが一番ムマイです。
冷凍した肉や、安い外国産はダメですね。
豚の肩ロースは1センチの厚さに切り分けます。
筋切りをしたら水分を拭き取ります。
両面にしっかりと塩胡椒をして、小麦粉を極薄くまぶしてから、フライパンでしっかりと焼きます。
フライパンの火はやや弱火。
片側がしっかりと焼けたら裏返します。
アロゼはしません。
絶対にしないの。
理由は火が入りすぎるから。
味わいに油の焦げた香りが移るからです。
酸化した油をかけたら臭くなる。
両面がしっかり焼けたら休ませる。
それだけで柔らかくなる。
仕上げはサラマンダーで。
表面を温めるだけ。
お皿に盛ったら黒胡椒をタップリ振りかけます。
マスタードを添えて完成。
たまらんムマさです。
豚肉をソテーする時に小麦粉をまぶすには理由があります。
旨味を閉じ込めるため?
違います。
小麦粉で旨味を閉じ込めることは出来ません。
ただの言い伝えでしょう(笑)
アタシの場合、小麦粉をまぶすのは肉の厚みが薄い時です。
厚く切ってポワレやロティにする時には小麦粉は使いません。
豚肉は他の肉よりもメイラード反応が起こりにくいんです。
理由は知りません。
経験上で分かってます。
一般に白い肉は赤い肉よりもメイラード反応が起こりにくい。
肉が薄い場合、香ばしく綺麗な焼き色がつく頃には火が入りすぎてしまいます。
ですから、小麦粉をまぶすことにより香ばしさや綺麗な焼き色を補うわけです。
厚めに切った肉をロティする場合は小麦粉は必要ありません。
薄い肉をソテーする場合と厚く切った肉をロティする場合は目的が違います。
仕上がりが違う。
パンで言うならば、クラムを食べさせたいのか?
クラストの香ばしさに重点を置くのか?
はたまた両方のバランスか?
肉も同じです。
ロティは表面の食感を感じさせないぐらいに、中も外側も同じようにしっとりと焼き上げるのが理想。
ソテーはパンのクラストにあたる表面の香ばしさや、カリッとした食感が特徴です。
それが口に入り噛んだとき最初に感じます。
その後、中から柔らかい肉の食感や旨味が出てくるからムマイんです。
例えば豚カツ。
あれは表面のカリッとした衣の美味しさが特徴です。
揚げているのは表面の衣。
中の肉は低温で蒸されている状態。
だから薄く切った豚肉を豚カツにすると火が通りすぎていて肉が不味いの。
しかも縮んでしまうから肉と衣の間に隙間が出来る。
あれじゃ良い肉は必要ないです。
豚カツソースを絡めた衣を喰っているだけ。
うちのカツレツは、最初に油で揚げます。
これは衣に香ばしさをつけるため。
その後はオーブンとサラマンダーで仕上げていきます。
厚めに切るのは柔らかく、しっとりと仕上げたいから。
難しいのは、焼き方を考えないと肉汁で折角の衣がビチョピチョになってしまうこと。
それを防ぐために、ある工夫をしています。
それは秘密です(笑)
衣の付け方から全て工夫をしないと作れません。
どのレストランのシェフ達も、其々に工夫をして自分の料理を作っておるわけでして。
同じような仕事でも、実は奥が深かったりするんです。
どーしたらムマイ料理になるのか?
我々が考えるのはそればかり。
其々に条件も違いますからね。
ムマイだけなら誰にでも出来る。
商売であるいじょう、効率も考えなければ『遊び』になっちゃう。
肉を焼くにしても、ソテー、ポワレ、ロティ、グリエ等色々あります。
間違えてはならないのが、其々の調理法は『方法』を論じているわけではありません。
あくまでも仕上がりの結果を論じているわけです。
どのような方法であろうとも、ロティのような仕上がりになれば、その料理はロティです。
ソテーも然り。
またメニューの表記は、あくまでもお客様がイメージしやすいように明記しているわけでして。
それを少し料理を知っている人や、料理を始めて間もない頭でっかちの若い料理人が知ったかぶりで否定する時もありますな(笑)
あれはロティじゃない!みたいに。
どのレストランのシェフも、少なくともそのような方々よりも圧倒的に分かってます。
皆様理由があってやっているだけです、ハイ。
ってなわけで、少々長くなりました。
ディナーも張り切って行きます♪