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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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おだつな!

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『俺の好物♪』

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さて、ゆるりと過ごす日曜日でございます。
レストランには料理人とサービスマンがおりまして。
まあ、当たり前なんですがね。
でね、料理人は若い方々も沢山いるんですが、サービスマンがいないんです。
日本のレストラン業界の問題点かも知れません。
プロのサービスマンが育たない。
理由は色々あります。
ただね、アタシの個人的な考えですが、料理人よりも、むしろサービスマンの方が日本のレストランを履き違えているような気がしますな。
我々のお客様は日本人です、ハイ。
そこのところを理解していない人が多いと思います。
日本人は『本音を言わない』民俗だと思います。
そこを理解しないと日本人のお客様の心はつかめない。
また、勘違いして失敗しますな。

多くのサービスマンがよく言う言葉に『私のお客様』てぇのがあります。
みんな言いますな(笑)
あの人は私のお客様!
彼は(彼女は)お客様を沢山持っている!
とかね。
ハッキリ言いまして、あんたに付いているお客様なんて殆どいませんよ、ってかマヂで。
身の程を知らないよね。
お客様は全て『その店のお客様』です。
日本のお客様は優しいし、良い時間を過ごしたいからサービスマンをお立てます。
日本人特有の人付き合いの方法。
ましてや店の支配人とかには気を使ってくれますよ。
それはあなたの力だけじゃない。
立場とか。
スタッフのアシストだとか。
その多くはレストランとゆう組織の力によるもので、あなたはその恩恵を受けているだけ!
だと思います。
一人になれば分かるよ。

サービスマンが独立して店を出す。
成功例は少ないですね。
あの人はお客様を沢山持っているから大丈夫♪
だから持っていないって。
私のお客様!なんて言っているのは、ホストクラブのニーチャンとか、ギャバクラのネーチャンとかの言うセリフだよね(笑)
プロのサービスマンか言うセリフじゃない。
そんな人が勘違いをして店を出す。
最初は来てくれますが、そのうち来なくなるのがお客様。
当たり前。
だって、レストランに来るお客様は『自分にとって都合が良い』から利用するんだもの。
それは値段や料理の味。
そして自分の行動範囲も大切な要素。
一人のサービスマンに惚れ込んで来店されるお客様なんて極僅かです。
おだてられて勘違いをしたら失敗すると思うよ。

アタシは今の店を出す時に、以前のお客様達にご挨拶はしましたよ。
感謝を込めてね。
でも、以前のお客様を排除したのも事実。
予約をされても『おやめになった方が良いですよ』と、申し上げる場合も沢山ありました。
それがお互いの為だと思ったから。
店が変わればお客様も変わります。
週1のお客様は数ヶ月に1回になり、月1のお客様は数年に1度になる。
当たり前。
過去にすがっていたら必ず失敗する。

本当に素晴らしいサービスマンならば、自分がいた店のお客様を引っ張るような真似は絶体にしないしね。
そんな失礼で仁義を知らないサービスマンには、軽薄なお客様しか付きませんな。
店が変われば、独立すれば、お客様も一から開拓しなければ生き抜けない。
当然です。


お客様は身勝手ですよ。
それを当たり前として受け入れないと、いつまで経っても被害者意識が抜けません。
アタシも肝に命じてます。

お客様は絶体に原因を自分には向けません。
例えば以前と味が違う!と思ったら、それはレストラン側に原因があると考えます。
味は体調によって相当変化します。
特に体調が変わりやすい女性ならば尚更です。
でもレストラン側としては謝るしかありませんな。
また、人は最初の感動を忘れないんです。
でね、どれ程ムマイ料理も2回目、3回目は感動が薄れていきます。
お客様は『味が落ちた』と感じる場合もあります。
だから変わらない美味しさを提供するには、料理人が例え少しでも変化、進化しないとお客様には伝わらないんです。
それはフランス料理も洋食も同じ。
むしろ誰もが知っている洋食の方が大変かも知れません。

そーゆー全てを受け入れないとレストランはやっていけません。
アタシも常に覚悟はしています。
いつ飽きられるか?
嫌われるかも知れない。
だから考えるし努力もします。
安定、安泰は絶体にあり得ない。


お客様は有り難く、しかし恐ろしい存在だと思います。

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