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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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飯🍚

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『お前さんが一番好きな食べ物は?』
よく人から聞かれたりしますな。
好きな食べ物?
マグロも玉子も好きだし、料理で言ったらそれこそキリがない。
でも、本当に腹が減った時に食べたいのは炊き立ての『飯』でございます。
もうね、好きとか嫌いとかのレベルじゃない。
日本人としては白米は『生活の糧』と言っても過言ではありません。

『飯を食う』とゆう言葉は、単純に白米を食べる意味ではありませんな。
食事をする行為全てを指す。
フレンチだろうがイタリアンだろうが『今夜飯を食いに行こう』なんて言ったりします。
夕方、食事の時間になれば『ご飯ですよー』と母親が公園まで呼びに来たもんです。
これは日本人独特の言い回し。
外国の人が食事をする時に『パン食いに行こう』とは言いません。

飯を食うってぇのは、他にも『生計を立てる』とゆう意味でもありますな。
『俺はギターで飯を食っていきたい』なんて言い方をしたり。
飯を食う➡プロである。
そんな意味にも繋がります。

『天下とっても二合半』
日本人と米の繋がりは正に『日本の建国の歴史』までさかのぼります。
それほど米は日本人にとって大切なもの。
神社と米俵の話とか。
話せば長くなりますな。
昨夜の『真田丸』なんかを観ていましても『三十万石』とか『百万石』とか。
大名の領地や力を『石高』で表した。
武士の収入は『米』だったんですな。

古典落語にも米の噺が沢山あります。
働かない亭主に向かって女房が悪態をつく。
『あんた!いい加減にしないと釜の蓋開かないよ!』
『二人旅(ににんたび』とゆう落語には
『一膳飯あり、柳屋』とあるのを『ひとつ、せんめし、ありやなきや』と読むオチがございます。

昔は『一膳飯は食うな』なんて言われました。
一膳飯は仏様に御供えするもんだったから縁起が悪いと言われたんです。
故人が使っていた茶碗に擦り切れ一杯の米を盛り、それを炊いて全てを茶碗に山盛り、箸を立てて御供えしたんです。

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長いこと料理をやってきて、自分がやりたい料理とは何か?を真剣に考えれば考えるほど『米』に対する思いが強くなりましたね。
フレンチやイタリアンを突き詰めても『日常の食事』にはなりきれないと思ったんです。
いや、日常の食事にもなるんですよ。
ただし、料理人が真剣に拘れば拘るほどにお客様との『温度差』が開いていくんです。
シェフ仲間と話していると他のシェフ達も同じストレスを感じているのがわかる。
どこかに『無理』がある。
根本的に違う。
でもそれは当たり前でもあるわけでして。
ムマイと感じる気持ちは同じでも『生きる糧』にはならない。
先に申し上げたように、好きとか嫌いとか、ムマイとかマズイの話じゃない、日本人の心の奥底の部分に入り込んでいるのが『米』だと思います。
それで数年前から自分の中に『洋食』が浮かんできて、しかも自分が一番大好きな料理でもあり、日本人にとっての『ビストロ』は『飯屋』であると結論着けたわけでございます。

最近は、特に女性から『白米は食べない』なんて言われたりしますな。
下らないメディアの影響でしょうな。
もちろん食いたくなけりゃ食わなくて良いわけでございます。
放っておけばよい。
しかしながら『鮨屋』でシャリを残す『大馬鹿者』もいると聞きます。
開いた口が塞がらないですな。

かくゆう私も、最近はすっかり飯を食えなくなりました(笑)
若い頃にはどんぶり飯三杯は軽かったのに。
コウコと玉子さえあれば何杯でも食えました(笑)


今は毎晩『発酵した米ジュース』を呑んでおります、ハイ。

ってなわけで、本日もムマイ飯を喰らいませう🎵

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