さてシャルキュトリーですが、ヨーロッパの歴史を調べると豚肉を扱う業者ってか、豚肉を扱う権利はある意味『権力の象徴』でもありました。
中世の西欧諸国ではギルド(商工組合)の力が強く職業は完全に分割、管理されていました。
身分制度も厳しく、職人の世界は親方にならなければ市政に参加することさえ許されなかったとか。
キュイジニエ、シャルキュティエの世界も同じように身分制だったんですな。
ヨーロッパの社会にはこの身分制が未だに残っているようです。
レストランでも、洗い場は黒人やアラブ人のやる仕事!みたいな。
まあ、日本人とは感覚も美意識も全く違うんでしょう。
以前にも説明したように、肉加工の基本は『塩漬け』と『乾燥』そして『加熱』です。
美味しさを求める以前にいかにして貴重な食材を保存するか?が最大の課題でした。
ですから昔の文献を調べると塩の量がンパないです。
現代人では食べられないかも知れません。
そのなごりなのか、フランス料理のルセットには理屈に合わない作業も多少あるワケです。
塩漬けした後、流水で塩抜きしたりします。
日本料理の職人さんたちは不思議に思うみたいですよ。
『だったら最初からちょうど良い塩加減で塩蔵すれば?』
みたいな(笑)
確かにそーなんですよ。
まあ、それには理由があるんですがね。
いずれ説明しますか。
でね、話は戻りますが、食材を保存する為に人々は色々考えたワケです。
で、ある時、人類はスゲー発明をしたんですな。
ハイ、それは『冷蔵庫』でございます。
冷凍庫もそーですな。
この発明は人類の食に対する考え方を根本から変えたワケです。
料理そのものを変えたんですな。
人類史上最大の発明!
ぐらいだと思うのですよ、ってかマヂで。
冷蔵庫の歴史も調べるとスゲー面白いですよ。
正に日進月歩で、私が子供の頃と現代では冷蔵庫も飛躍的に進歩しています。
現代社会では冷蔵庫の無い生活なんて考えられませんな。
私達の商売なんか、冷蔵庫様様ですもん。
んじゃ、昔のシャルキュティエの仕事は意味がない?
いえいえ、そーじゃないです。
料理は過去と現代を切り離して考えちゃダメなんですよ。
常に延長線上の中で捉えていかないと仕事になりません。
また、現代の仕事も必ず未来に繋がっていくわけでございます。
ここら辺も説明が必要ですな。
皆様は料理人ではありませんが、料理の基本的な部分や考え方は是非とも知っていただきたいです。
我々の大切なお客様である!のも理由の1つですが、これから先、様々な食材や食品が日本にも入ってきます。
今までの比ではないと思われます。
最後はご自分でご判断するしかありません。
自分で正しく見極める目と知識が不可欠になりますよ、ってかマヂで。
企業は良い話しかしませんから。
特にお子様がいる家庭では気を付けなくちゃね。
高価な物!じゃなく『正しい物』を与えてあげるべきでしょう。
そー言えば、私は子供の頃、家にある冷蔵庫の扉をしょっちゅう開けて中を覗く癖がありました。
もうね、5分おきに覗くの(笑)
母親が怒りましたねぇ。
ある日、冷蔵庫を開けたら張り倒されたもん(笑)
どれだけ卑しかったんでしょう…。