おはようございます。
涼しくなって、仕事もやりやすくなりました。
8月も終わりますね。
昨日も沢山のご来店に感謝します。
今日はラムを使って『ピーマンの肉詰め』を作りましょう🎵
スパイスを効かせて、トマトソースを添えて。
うちの料理は、基本的には日本人なら誰でも知っている当たり前の料理です。
フレンチやイタリアンの店に行くと、聞いたことも見たこともない料理が並んでいたりします。
それはそれで楽しいと思うし、ハレの料理なら良いと思う。
うちみたいな料理はみんなが知っているから、それぞれのお客様の中に『型』があり『正解』を持っている場合も少なくない。
だからこそ怖いと考えてます。
ジャッジもキビシイし、当たり前過ぎて差別化も難しい。
僕の父親は商売人でした。
看板屋さん。
アクリル、ネオン、トタン、木枠の看板。
何でもやった。
実は看板屋さんって仕事は無いのです。
仕事はそれぞれの専門家にお願いするのです。
ペンキ屋さん。
鉄骨屋さん。
アクリル屋さん。
ネオン屋さん。
電気屋さん。
重機屋さん。
テント屋さん。
その他にも様々な職人さんがいて、父親が仕事を取ってくる度にお願いに行きます。
下請けさんと言えばその通りなんですが、昔は下請けの職人さんの方が威張ってましたから(笑)
もちろん自分でもトタン看板なんかは作ってましたね。
ってか、一通り全ての仕事に精通してました。
小学校しか出てないけど図面だって見事に引いてましたもん。
それぞれの仕事に精通していないと話にならないからだと言ってましたね。
大きな仕事が入ると、それぞれの専門家が集まってチームみたいなものが出来ます。
それをまとめて仕切るのが父親の仕事。
僕は小さな頃から父親の仕事に連れ回されておりました。
だから大人達の仕事や付き合い方を間近で見てきた。
昔の職人はスゴかったですよ。
図面だけ見て、下書きも殆どしないで図面通りの文字や絵をチャチャっと描いてしまうペンキ屋さん。
鉄の門扉の隙間に、鉄の棒やフラットバーを酸素(バーナー)で折り曲げながら綺麗なアールの鉄飾りを簡単に作ってしまう鉄骨屋さん。
見た目だけで折り曲げて溶接でバンバンとめてゆくの。
図面通りの模様が見事に出来上がってゆく様を見て子供ながらにビックリしましたね。
そんな職人さん達の仕事が大好きでした。
父親はそんな職人さん達を大事にしてましたね。
大人達の付き合い方。
そーゆーのを小さな頃から見てきた。
昼飯はみんなで食べます。
何も言わなくても何十人もいる職人さん達の分も父親が払ってました。
うちも貧乏なのに何で払うんだろう?
子供の僕は納得がいかなかった(笑)
時には揉め事もありました。
大人達の怒鳴り声は怖かったですよ。
本気で仕事をしていますからね。
喧嘩も真剣。
そんな事があると母親の出番です。
うちの母親は職人さんの扱いが上手だった。
母親の葬式には沢山の人達が来て泣いてましたもん。
子供の頃から看板の取り付けや穴堀りを手伝わされて嫌でしたけどね。
今となっては役にたってますよ。
夏場の穴堀りは本当にキツかった。
鬼と呼ぶ先の尖った鉄の棒で砂利を砕きながらスコップで掘ります。
手のひらは血豆が沢山できて、泣きが入りましたもん。
でも仕事の厳しさとか、職人のスゴさとか、小さな頃に体験したのは良かったと思います。
父親からは沢山教わりましたが、今でも一番覚えているのは
『良い物は、どんな立場の誰が見ても良いとわかるもの』
とゆう言葉。
芸術作品を作ってんじゃない。
世の中に必要とされている物を作っている。
説明なんかしなくても誰もがわかるもの。
それが良い物だと言ってましたね。
本当に良い物は無くなった時にその大切さがわかるんだよ!
とも言っておりました。
今は何となくその意味がわかります。
ってなわけで、本日も宜しくお願いいたしますm(_ _)m