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Channel: 洋食『マーシュ亭』
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洋食屋の泣き所

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フレンチレストラン、イタリアンリストランテと違い、洋食屋のお客様ってのは基本的に
『いきなりメインディッシュ』
なんですよ。
ステーキだって、ハンバーグだって、鶏のロティだってお構いなしです、ハイ。
何がキツいって、それが一番キツいです(笑)
ユックリ時間をかけて食事をする人ばかりじゃない。
パッと食ってサッと帰りたいお客様だっていますから。
どの料理が手間がかかって、どれが大変だなんて知りませんからね。
カレーライスも鶏のロティも同じ感覚で注文されます。
モツロン言い訳なんて出来ません。
また同時同卓って言葉があるように、できる限り複数のお客様には同時に提供しないといけません。
そーなるとメニューに載せる料理もおのずと限られちゃう。
それで洋食屋を始めるコックさんが少なくなったの。
ハンバーグ、カレーなどの専門店にしちゃうわけ。
大変なわりに単価も低いしね。
でもさ、それって悔しいじゃない、アタシ的には。
だって洋食屋って楽しいし色々選べた方が嬉しいし。
だけどフレンチレストランとは仕込みってかスタンバイのやり方が全然違うんです。
それが出来ないから最初はテンパった。
分厚い肉だって焼きたいしね。
いきなりメインディッシュをフレンチレストランで注文したら店はパニックになりますよ(笑)
前菜は時間稼ぎでもありますから。
最近は少なくなったみたいだけど、昔のレストランには『幻の料理』が存在しました。
メニューには書いてあるけれど誰も食べたことがない(笑)
アラカルト料理がそれです。
今でもあるのかな?(笑)

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もう1つ難しいのが
『味や盛付け、量を勝手に変えられない』
です。
フレンチレストランやイタリアンリストランテなら、その店のシェフや店そのものにお客様は惹かれて行きます。
でも洋食屋は違う。
お客様は食べたい料理をイメージしている場合が多い。
ラーメン屋さんと似ています。
あの時食べたあの味!を食べに来店するわけ。
それが自分のイメージと違ったらガッカリしますな。
いつも味が変わったら信用されません。
また、誰もが知っている料理ですからね。
難しいです。
フレンチレストランなんかだったら『本日はシェフのインスピレーションで♪』
みたいな話も出来るけど、洋食屋のヲヤジが『アタシのインスピレーションで変えました♪』
みたいなことを言ったら
『具合が悪いのか?』
なんて言われかねません、ってかマヂで!
店の都合でコロコロ変わることがフレンチ、イタリアンには多いですから(笑)
何かと理由をつけてね。
ハンバーグなら、あくまでもハンバーグじゃなければならない。
『今日はローズマリー風味にして、豚肉に子羊の肉を混ぜてパイで包んでから…』

『やかましい!とっとと作れっ!』

『……』


あるべき料理を、同じ味で常に提供するのが洋食屋です。
これってカナーリキツいんですよ。
だからこそ面白いし、工夫が必要になりますけどね(笑)













お客様に
『この店は昭和だね…』
『ここに来ると日本を感じる…』
とよく言われます。
誉めてンのか?
貶してんのか?

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