カニクリームコロッケのタネを仕込んでいます。
今のレストランと違って、昔の西洋料理店の厨房には女性なんて殆どいませんでした。
イヤね、稀に希望者もいたの。
でも親方は絶対に雇わなかった。
それは親方の優しさだったんですよ。
今のフレンチやイタリアンと違って、昔のレストランはとにかく力仕事ばっかしです。
デミグラスだってバカデカイ寸胴で仕込むんだから。
それを裏漉したり、鍋を運んだり洗ったり。
半端な体力じゃ絶対に㍉だった。
コロッケ用のベシャメルなんて通常の２倍位のメリケン粉が入ります。
それで１０㍑分ぐらいかいたりするわけ。
男だって音を上げる。
そーゆー仕事を平気な顔でバンバンやらないと仕事にならない。
また、厨房の暑さなんて半端じゃない。
肉体的に女性には絶対に不可能だった。
怪我も少なくないしね。
親方にしてみれば、嫁入り前の女の子に何かあったら親御さんに顔向け出来ませんからね。
今は女の子も料理の仕事に簡単に就いたりしますな。
良いことかも知れませんが、アタシには少し心配です、ﾊｲ。
あり得ませんが、マーシュ亭の厨房で修行をしたいって人がいたらﾓﾂﾛﾝ断りますよ(笑)
半日もたないでしょうね。
男でさえ(笑)